神奈川県立病院機構が目指す姿
神奈川県立病院機構は、それぞれに特徴の異なる5つの県立病院を運営し、高度・専門医療の提供や地域医療の支援など、県立病院群として重要な役割を担っています。
この使命を更に力強く全うするために、効率的な病院運営による経営の最適化や、働きやすい職場作り、医療安全の徹底などの「改革プロジェクト」を令和6年度4月から始動しています。
神奈川県立病院機構が進める改革プロジェクト
高度・専門医療の提供や地域医療の支援などの公立病院としての使命を果たしていくために、神奈川県立病院機構は、「運営戦略」「経営戦略」「個別課題」の3つの戦略、「医療安全」などの7つの改革からなる「改革プロジェクト」を令和6年度4月から始動しています。
県立病院機構の改革
運営戦略
患者最優先の体制構築と
機構組織の効率化に関すること
経営戦略
収益の最大化と持続可能な
体制の構築に関すること
個別課題
特定の病院に係る戦略に関すること
医療安全
日本一患者が安全な病院群の実現
令和3年10月にこども医療センターで発生した死亡事故を契機に設置した「医療安全推進体制に係る外部調査委員会」から受けた42の提言を基に作成したアクションプランに基づき、医療安全の取組みを着実に実施していきます。
同プランは社会情勢の変化、医療・保健分野の学術的、技術的趨勢にあわせ恒常的な見直しを行うことにより、機構病院が持つ医療提供機能を最大限発揮し、社会的責務を持続的に全うすることを目指します。
業務改革
機構全体でのマニュアルの共通化やIT技術の活用による情報共有の効率化等による業務効率化
病院ごとに作成されているマニュアルや重複する会議を整理、IT技術の活用による情報共有等を進めることによって、機構全体の業務効率化を進めていくともに、リモートワークなどによる働き方改革により職員の働きやすさを向上させていきます。
具体的には、マニュアルの機構内の統一化や、病院現場で使用されているPHSの段階的なスマートフォンへの移行による情報へのアクセス性の向上等を進めるともに、Teamsの活用による機構内のコミュニケーションの活性化を進めることによる情報共有の適正化によって、業務の効率化を進めていきます。
また、電子決裁やリモートワーク用のPCの配備等のリモートワーク環境を整備することによる職員の働きやすい職場を目指していきます。
人の改革
人的リソースのリソースの最適化、人材の採用、定着を強化
人材の獲得競争の激化に対応するため、採用活動を強化するともに自己成長に繋がる研修制度等を整えることによって、人材の獲得・成長・定着を実現していきます。
採用活動について、採用サイトやイベント等を積極的に活用し、県立病院機構の職場の魅力を伝えるなど採用活動を強化するとともに若手など年次別の研修制度や、職種に応じた育成プログラムを整備により人材の成長、定着を図ります。
また、人員の適正配置に係る指標を作成することにより、適切な人員配置を実現し働きやすい職場環境を整えます。
モノの改革
機構全体での同一用途物品の統一化や共同購入、器材・設備などの共同利用等による設備削減による経費の削減
円安によるインフレが進み薬剤など医療にかかるコストが高くなるなか、病院機構全体でスケールメリットを活用した備品等の共同購入や設備共同利用等を更に推進していき、経営コストを削減を目指していきます。
具体的には、高額機材の稼働率や稼働見込みを見える化による適切な設備投資を実現するともに、医療機材等の病院内外の共同利用を進めることによって、既存リソースの有効活用を図ります。
また、マスク、ガウン等の医療用備品等の統一化による共同購入を促進し機構全体でのスケールメリットを活用した共同購入による物品購入等の適性化を進めます。
経営の改革
持続可能な病院経営にむけて経営状況の見える化や収益拡大等を図る
経営状況の見える化による収支状況の分析や、薬剤の価格交渉、適切な診療報酬の獲得により、コストの削減するとともに収益の拡大を図ります。
具体的には、四半期決算導入によるタイムリーな経営分析を行い、病棟再編・人員配置等の見直しを随時行っていくとともに、高額機材の稼働率、稼働見込みを見える化による購入計画の策定や、薬剤に係る価格交渉による経費削減、適正な診療報酬請求等の経営改善策を進めていきます。
情報の改革
医療DXによる患者ファースト、医療安全、医療機関連携等の取組みの強化
各病院において、個別に管理しているデータを連携させることで「診療の質向上」「医療安全の強化」「臨床研究支援」「患者ファースト」「医療機関連携」「地域医療連携」の取組みを一層強化していきます。
電子カルテなどのデータを連携・出力できる「共有プラットフォーム」を構築し、ベッドコントロールの効率化、データ二次利用、複数病院での共同診療等を実現させ、患者、医療者にとって最適な医療を目指していきます。
個別課題
地域の医療ニーズ等を把握により各病院の適正な病棟・病床を検討し、医療の最適化を図る
マーケティング調査により地域の医療ニーズの分析を行い、地域に必要とされる医療を検討することで適正な病棟、病床の検討を進めていきます。
具体的には、周辺の医療提供体制や少子高齢化などの社会情勢を考慮した将来にかかる医療需要の分析を進めていき、地域に必要な医療を、適正な病棟機能、病床数による提供を図ります。