地域医療連携について
地域医療連携とは
- 地域の中で個々に役割・機能をもった医療機関が連携することで、患者さんが急性期から回復期を経て自宅に戻るまで、切れ目のない医療を受けることができるネットワークのことです。
- 病院、地域の診療所(かかりつけ医等)、在宅支援診療所等が連携することで、患者さんは病院での治療から回復とともに、地域の診療所での治療と変わり、在宅での療養が継続できます。住み慣れた地域で、その人らしい暮らしを、お子さんにおいては家族から離れず治療を継続し、成長していくことが可能になります。
医療機関の持つ役割と機能とは
- 医療機関の持つ役割
医療機関は、それぞれ次の図の役割を担っています。
* 当機構病院は専門医療と急性期の入院医療を担っています。
- かかりつけ医とは
日常的な治療、健康管理を考えてくださる地域の身近で気軽に相談できるお医者さんです。
かかりつけ医を持つメリット
- 病気になった時、真っ先に相談できる。
- 日頃の健康状態を知ってもらうことで病気の予防、早期発見、早期治療に結びつく。
- 症状に応じ適切な医療を紹介してもらえる。
- 大病院に比べ待ち時間が短い。
かかりつけ医の探し方
- 神奈川県保健福祉局運営サイト
- かながわ医療情報検索サービス(外部リンク)
- 病院から診療情報提供書をもらう。
- 病院の地域医療連携室等で、かかりつけ医を探すための必要な情報をもらう。
- 医療機関の持つ機能区分
医療機関は、それぞれ次の表の機能を持っています。患者さんの病状にあった機能区分を持つ医療機関で医療を受けることにより、病状にあった適切な医療が提供されます。
区分 | 医療機能 |
---|---|
高度急性期 | 高度な診断技術や高度な治療を必要とする急性期の患者さんに医療を提供する機能 |
急性期 | 急性期の患者さんに対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能 |
回復期 | 急性期の治療が終了した患者さんに在宅に帰るためのリハビリテーションの提供を行う機能。日常生活の動作の向上や在宅に帰るためのリハビリテーションを集中的に行う機能 |
慢性期 | 長期にわたり療養が必要な患者さんを入院させる機能。長期にわたり療養が必要な重度の障害者、筋ジストロフィー又は難病患者さんを入院させる機能 |
- 急性期が過ぎ連携医療機関に移行された場合でも、再び急性期治療が必要になったときは、連携医療機関から紹介して頂くことが可能です。(年齢制限のある施設は別:こども医療センターは母性を除き15歳未満のみ、がんセンター16歳以上のみ)
当機構における地域医療機関等との連携
- ケースカンファレンス等
地域の個別ケースの支援体制についてのカンファレンス等を通じて患者さんへ適切な医療の提供を目指しています。 - 地域医療連携パス
地域医療連携パスを利用することにより、患者さん・ご家族及び医療機関の双方が治療計画を共有し、急性期病院から地域医療機関へ切れ目のない医療を受けることが可能になります。 - 診療情報の提供
地域医療機関に患者さんの治療が移行した後も、速やかに診断や治療が継続できるよう患者さん・ご家族の了承を得て、患者さんの入院中や外来の診療情報を地域医療機関に提供しています。 - 病院訪問
地域医療機関へ直接訪問し、双方の情報共有を通じて、患者さんの治療が地域医療機関に移行した後も地域医療機関と気軽に相談し合える基盤作りを行っています。 - 地域連携システム(ICT)を活用した地域連携
がんセンターでは、患者さんの同意を得た方に限り、ICTを用いてMRI等の画像や検査データーを連携医療機関と共有しています。患者さんが地域で適切な医療を受けられるよう連携を進めています。(がんセンターではかもめ・ゆめいろネット実施中)
- かもめ・ゆめいろネット(がんセンターホームページ)
- 高度医療機器等の共同利用
当機構の地域医療支援病院(循環器呼吸器病センター、こども医療センター、足柄上病院)では、高度医療機器の共同利用を地域の登録医療機関と行っています。このような取組が、病気の早期発見に結びつき、適切な医療の提供を行うことにつながります。 - 退院前地域合同カンファレンス
地域における医療ケアが必要な患者さんが退院される前に、地域の関係機関が集まり、カンファレンスを行っています。
地域の中で安心、安全にその人らしい生活を送れるよう患者さん・ご家族を含めて関係機関で意見交換を行っています。 - 広報誌
当機構病院の診療内容を紹介し、当機構病院での診断・治療が必要な患者さんを速やかに紹介していただけるよう広報誌を発行しています。 - 当機構病院及び県立病院との連携
当機構病院及び県立病院は定期的にワーキング、連携連絡会議を行い、地域医療連携に関する情報交換、共同した取組を行っています。
県立病院機構における病院の特色(参考)
- 足柄上病院
地域医療連携室 退院前指導
- 県西部の中核的総合病院
- 高度専門医療・救急医療・災害医療・感染症医療
- 新生児から高齢者まで
- 急性期から終末期まで
- こども医療センター
ICU病棟
- 病気や障害のある小児に医療と福祉を一体として提供する小児総合医療・福祉機関
- 高度先進医療施設として国の定める特定承認保健医療機関に認定
- 小児期・周産期の専門医療、三次救急医療、障害児医療
- 小児がん診療拠点病院
- 地域医療支援病院
- 精神医療センター
外来
- 精神科救急の基幹病院
- 思春期を対象とした病棟を新設(30床)
- うつ病を中心としたストレスケア医療を提供
- アルコール・薬物依存症に対し専門医療を提供
- 医療観察法病棟において医療観察法医療を提供(平成24年11月~)
- がんセンター
外来化学療法室
- 全県的ながん医療の中枢機関として高度で専門的ながん医療を提供
- 都道府県がん診療連携拠点病院
- がん専門病院として全国初の重粒子線治療開始予定(平成27年12月~)
- 漢方サポートセンター新設(平成26年4月)
- ワクチンセンター新設(平成26年9月)
- 循環器呼吸器病センター
心臓カテーテル室
- 循環器と呼吸器の専門病院として、高度先進医療と救急医療を提供
- 非結核・結核の呼吸器疾患を扱う専門病院
- 各専門センター開設(肺がん包括診療センター・心房細動センター・気胸センター)
- 心臓ドック・肺がん検診・アスベスト専門検診の実施
- 地域医療支援病院