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プレスリリース

平成23年度 県立病院ヒヤリ・ハット事例及び医療事故等の公表について
~ 医療安全の向上に向けて ~

神奈川県立病院では、医療の透明性を高め、県民の皆様との信頼関係を築くことはもとより、さらなる医療事故の未然防止を図るため、毎年度ヒヤリ・ハット事例及び医療事故並びに医療事故防止対策を公表していますが、平成23年度の状況について公表します。
各県立病院では、医療事故の防止に向け、多角的なリスク把握が可能となるよう、気づいたことやリスクが存在すると考えた出来事などを積極的に報告するよう努めています。
平成23年度においては、より医療の透明性を高め、医療事故のさらなる未然防止につなげるために、これまで過失の有無や家族等の同意の有無によって扱いを異にしていた公表基準を平成23年12月1日より改正し、医療事故が原因となって高度の後遺症が残った場合や死亡した場合(レベル4及びレベル5)の重大事故が発生した場合には、プライバシーに配慮しつつ事故後速やかに個別公表するよう見直しました。(平成23年度中の重大事故の発生は0件)

1 ヒヤリ・ハット事例件数

ヒヤリ・ハット事例件数

  • ヒヤリ・ハット事例とは、日常診療の場で、患者に医療又は管理を行う上で、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりした事例(災害等に起因するものを除く)で、医療事故に至らなかったものをいいます。

2 医療事故件数

医療事故件数

  • 医療事故とは、医療に関わる場所で実施された医療又は管理により、予期せず患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残った事例又は予期しなかった、若しくは予期していたものを上回る処置その他の治療を要した事例(災害等に起因するものを除く)をいいます。

3 医療事故防止対策(各病院の特性に応じた取組)

各病院は診療の内容や患者の状況に応じて、きめ細かな医療安全対策を実施しています。平成23年度の代表的な事例は次のとおりです。

各病院における医療安全対策の取組事例
病院名 取組内容
足柄上病院 患者の食事制限等の絵表示(ピクトグラム)を病室内に表示し、患者、家族及び病院職員の情報共有を推進した。
医療安全に関する研修に対して、研修参加によりポイントを付与する制度を昨年に引き続き実施し、研修参加者の増員を図った。
点滴注射薬剤の「血管外漏出対応マニュアル」「点滴漏れ初期対応フローチャート」「点滴漏れケアシートの運用基準」「血管外漏出に注意すべき主な薬剤」等を整備した。
理学療法士に対して喀痰吸引行為の技術認定制度を設け、研修による技術指導を行い、修了者の認定を行った。
こども医療センター 手術開始時における、安全確認をより的確に行うため、医師、看護師等の役割分担を明確化するとともに、各種の確認を一同に行うこととした。
MRI検査入室時の金属持ち込み防止徹底のため、「職員のMRI検査入室手順」「MRI入室チェックリスト」を見直した。
精神医療センター 許可を得ないで病院を離れる患者の早期発見を目的として、「離院対応マニュアル」を作成し、患者が許可を得て病院内の散歩に出かける際に服装や時間等を記録する「散歩区分ボード」を作成した。
がんセンター 患者のアレルギー情報を把握した安全な医療の提供を目的に、アレルギー問診票を作成し、アレルギー情報のカルテへの表示方法を統一した。また、アレルギーがある入院患者にはカラーリストバンドを装着し、医療者と患者が一緒に確認し合えるようにした。
循環器呼吸器病センター 入院中の転倒・転落事故防止のため、循環器系呼吸器系に負荷をかけずに、筋力低下を防止できる簡易的な転倒予防体操を2種類考案し導入した。
汐見台病院 患者誤認防止への取組みとして、病棟での注射薬投薬における注射オーダ指示と患者のIDバーコードによる照合確認(患者認証システム)を導入。加えて、院内全部署・セクション単位で具体的取り組み策を立案し実施。医療安全関する研修において取組策と現状についての報告会を行い情報共有を図り、患者誤認防止に取組んだ。
神奈川リハビリテーション病院 薬品冷蔵自動温度記録機器の導入により、記録表から、電気工作点検日に、各所属薬品冷蔵庫・冷凍庫の庫内温度が設定温度より上昇していたことが判明した。今年度の点検日には、薬剤の安定性確保のため、薬品が保管されている冷蔵庫・冷凍庫のコンセントも非常用電源につなぐように依頼した。また、一部の冷蔵庫・冷凍庫のデジタル表示温度が実際の温度より低く表示されることが判明したため、設定温度が変更可能な場合は設定を下げ、設定不可能な場合は修理を所属に指示した。
七沢リハビリテーション病院脳血管センター 転倒事故防止のため、「転倒防止DVD」を入院時や転倒リスクの高い患者への視聴を徹底した。
患者間違えをなくすため、患者・医療者協働による名前の確認を徹底した。
職員のリスク感性を高めるために、レベル0についての積極的報告を推進し、院内全体で意識向上を図った。

4 医療事故等のレベル

  区分 内容
ヒヤリ・ハット事例 レベル0 間違ったことが発生したが、患者には実施されなかった場合
レベル1 間違ったことを実施したが、患者には変化が生じなかった場合
レベル2 実施された医療又は管理により、患者に予期しなかった影響を与えた可能性があり、観察の強化や検査の必要性が生じた場合
レベル3 実施された医療又は管理により、患者に予期しなかった軽微な処置・治療(※1)の必要性が生じた場合
医療事故 実施された医療又は管理により、患者に予期しなかった若しくは予期していたものを上回る何らかの変化が生じ、濃厚な処置・治療(※2)の必要性が生じた場合
レベル4 実施された医療又は管理により、患者の生活に影響する予期しなかった若しくは予期していたものを上回る高度の後遺症が残る可能性が生じた場合
レベル5 実施された医療又は管理により、予期せず患者が死亡した場合

※1 薬剤投与等の保存的治療
※2 バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術等

5 公表基準の改正

【改正のポイント】

  • 「医療過誤」と「過失のない医療事故」の区分をなくし、レベル4はすべて個別公表とした。
  • レベル4及びレベル5は、家族等の同意がない場合でも、公表内容について個人が特定されないよう十分に配慮しながら、全て個別公表とした。

改正のポイント

参考資料

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